テタレ探訪

マレーシアでの生活の記録をぽつぽつと投稿します。迷走してます

留学を通して自分の食い意地の凄さを知る

先日のランカウイ島旅行にて、日本人ガイド付のマングローブツアーに参加した時のこと。

ボートには私たち夫婦を含め8人の日本人参加者が乗っていたのだが、そのうちの1人が大学生の女の子だった。現在タイに留学しており、この日は母と2人で観光しにきたのだという。

 

話を聞いていて、大学生いいな〜とかタイ行きたいなとか素直に思った。そして、私が大学時代に留学した国がもしタイとかマレーシアだったら今同じような生き方をしているかな?とふと思った。

 

大学2年生の夏休み、オーストラリア・ブリズベンに短期留学した経験がある。海外留学は入学前からやりたかったことの一つで語学を使う仕事にも興味があったので、もしかしたらこれが転機になるかなと思っていた。が、全然そんなことはなく2週間目くらいには帰りて〜と夜な夜な泣いてた。もちろん楽しいことやそこでしかできない体験もたくさんしたのだが、期待が大きかっただけに自分が少しでもこう思ってしまうことがかなりショックだった。それなりのお金と時間を費やしてもいたので、SNSでエンジョイしてるぜ的な投稿をたくさんして自分を鼓舞した。あとあの頃は本当に大学生活とバンド活動が楽しかったので、日本が恋しかった。

 

当時、私はオーストラリアの良さを十分に楽しみ尽くすことができなかったと思う。原因として語学力不足や日程的に他の都市に遠出できなかったということもあるが、特にオーストラリアの食費が高かったことだと考えている。「高かった」というよりは「コスパが悪かった」「自分の金銭感覚とは合わなかった」の方が適切な表現かもしれない。

 

曖昧な記憶だけれどコンビニで買う清涼飲料は3.5ドル、水でも2ドル。外食したらそんなに贅沢しなくても15ドルぐらいで済めば安い方だった。パスタセットはその店の一番安いものでも25ドルぐらいはしたんじゃないだろうか。当時のオーストラリアドルは1ドル=80〜85円と今より安かったとはいえ、日本に比べればかかる食費は2倍程。学生でそんなにお金も持っておらず、かといってじゃあもっと持っていれば羽振りよく使っていたかというと・・・性格的にその辺を割り切れないのが私という人間だと思う。値段に納得せず、「味の割に高いなあ」と思いながら食べること自体幸福度が下がる気がするので。

その上、印象に強く残るほど美味しい店があったかと言えば別にない。強いて言うなら、「ハングリージャックス」というハンバーガーチェーンによく行ったのを覚えている。理由は他でもない、留学生たちの行動圏内で1番コスパが良かったからだ。学校が休みになる土日、一緒のクラスの子と昼食を食べようと街を歩き回っても10ドル台以下の大丈夫そうな店が一向に見つからず、かなりの高確率で「うーん今日もハングリージャックスにするか」となるのだった。オーストラリアに行った話を知人にすると、「へ〜美味しい牛肉とか食べた?」とよく聞かれるが・・・言うまでもない。今思えばそれぐらいは奮発すれば良かった。

諸々のストレスの蓄積でバッドだった私にさらに追い討ちをかけたのが、ふとした時にSNSで見る自分のいないサークル合宿の様子や飲み会などみんなのキラキラした投稿。今回マレーシアに移住するにあたり思い切って全てのSNSをやめたのだが、この時のトラウマが一因である。

 

私がオーストラリアに5週間行って得た学びは

・私の人生における食の重要性(日本のご飯うまい!)

・経済的余裕=心の余裕であること

日本に帰ってきてからいろんな美味しいものを食べて泣きそうだった、まじ日本しか勝たん、絶対日本で働いて日本に骨埋めよと思った。そして今度旅行に行った時に過剰に値段を気にせずいろんなことを楽しめるように、ちゃんとお金を稼げる人間になろうとも。そういう経緯で大学卒業後は転勤なし堅め地元企業に就職したはずなのに、なぜか今はマレーシアにいて専業主婦をしている。しかも思ったより楽しい。人生はわからない。

 

話は戻って、そういうわけで私は日本より物価が安く、いつでもリーズナブルで美味しい(味については主観でしかないけど)現地料理や日本食チェーンが食べられるタイやマレーシアに留学している学生が心底羨ましい。もし国やタイミングがちょっと違ったら海外最高!てなってたかもと思わなくもない。たられば言っても仕方ないけれど。向かいに座っていた大学生の女の子には、どうか悪い人たちには気をつけて、たくさんいろんな経験をして楽しんでくれ〜と強く念を送った。

 

まあ何はともあれ、一回懲りた自分が今まともに海外生活できていることが誇らしい。これからもずっとマレーシアの辛すぎたり甘すぎたりする食べ物を、大好きな和食を美味しく食べられるよう健やかに暮らしたい。

あと学生時代に比べたら自由に使えるお金が増えたので、死ぬまでにもう一度オーストラリアには行きたいなと思っている。

 

最近電子書籍で読んだ。私のような人間は絶望します